こんにちは、蕨東口すがやの三代目(野菜ソムリエ)です。
2018年のふるさと納税にて、マグロの中トロ柵を返礼品として頂きました。
福島県いわき市のふるさと納税【本マグロ訳あり中トロ1kg」】
めちゃめちゃお得な一品でした!
しかし実は、、、
今までマグロの柵を扱ったことがないのです ^^;
色々と調べてみると、マグロの柵は単純に自然解凍すると、ガクンと味が落ちてしまうんですね。
そこで、【温塩水解凍法】という方法を知り、実際にやってみたのでそのやり方をご紹介したいと思います。
【温塩水解凍法】と聞くと、ちょっと難しそうに聞こえてきますが、とっても簡単です!
【温塩水解凍法】とは?
温塩水解凍法とは、
- 30℃〜40℃のぬるま湯
- 塩分濃度3〜5%の塩水(海水と同等)
で、冷凍マグロを解凍する方法のことです。
自然解凍でマグロの旨味が落ちてしまう理由と、温塩水解凍法・2つのメリット
ぬるま湯で魚の生肉を解凍することに、始めはかなり抵抗があると思います ^^;
が、冷凍マグロが変色しやすい温度は-3℃〜-7℃とされていて、自然解凍をしてしまうと、マグロの変色の原意となってしまいます。
なので、ぬるま湯を使うことで、この変色しやすい温度帯を素早く通過させるための効果があります。
これが1つ目のメリット。
また、もう一つのメリットはドリップの流出を防ぐ効果。
塩水を使うことで浸透圧の効果が働き、マグロからのドリップ(旨味成分)の流出を抑えることが出来るのです。
冷凍マグロの保存方法
生食用の冷凍マグロは温度管理が非常に難しいようです。
-3℃〜-7℃で変色してしまうため、家庭用の冷凍庫(−20℃前後)でも品質の保持は1週間程度が限界。
それを超えると、変色と味の劣化が始まってしまうため、あまり長期保存には向かない食材です。
専門の卸業者さんなどは業務用の冷凍庫を使い、−60℃という超低温保存でマグロの品質を保っているそうです。
柵で冷凍マグロを手に入れた場合、長く保存してしまうと劣化してしまうため、早めに食べた方が美味しく食べられるんですね。
【温塩水解凍法】を実践!方法とやり方
では、実際に温塩水解凍法を実践してみます。
まず概要を説明すると、流れはこんな感じです↓
温塩水解凍法のやり方
- 30℃〜40℃、塩分3〜5%の温塩水を用意
- その中にマグロの柵を2分ほど浸ける
- 温塩水で表面の汚れを落とす
- 軽く真水で洗う
- キレイな布巾で水気を切る
- キッチンペーパーとラップで包み、冷蔵庫で自然解凍
では、それぞれの作業を細かく、写真付きで紹介していきます ^^
まずこちらがマグロの柵です。
今回はふるさと納税の返礼品ということで、皮付きの中トロ!
なかなか皮付き状態の柵を扱うことは無いと思いますが、スーパーで売られている冷凍マグロでも方法は一緒です。
30℃〜40℃、塩分3〜5%の温塩水を用意
30℃〜40℃、塩分3〜5%の温塩水を用意します。
マグロの柵がしっかりと入るサイズの入れ物に、浸る程度の温塩水を入れておきます。
入れ物は何でもOKです。
僕はジップロックのコンテナを使いましたが、これでも十分に作業は出来ましたよ。
温塩水の中に、マグロ柵を2分ほど浸ける
刺身をぬるま湯に入れることに対してかなり抵抗がありますが、躊躇なく入れていきます!
画像はちょっと表面が出てしまっていますが、実際にはマグロ柵全体がしっかりと浸るように温水を調節して下さい。
キレイなように見えても、マグロの表面についた汚れや粉が浮かび上がってきます。
温塩水で表面の汚れを落とす
温塩水に2分ほど浸けた後のマグロです。
中トロなので、皮に近い方は脂が乗っていて、内側になるほど赤みが濃くなっていますね。
この時点で美味しそう 笑
しかい、よく見ると表面に細かい汚れがあるので、それを取っていきます。
温塩水をかけながら、表面についている汚れを指で軽くこすりながら落としていきます。
強くこすると身が凹んで劣化の原因となりますので、あくまで優しくゆっくり、しかし素早く作業。
表面についている粉状の汚れは、マグロ粉(切り粉)と言います。
これは、冷凍マグロを柵状にカットする際に出てしまう、粉状になったマグロの切り身です。
専用のノコギリで切るため、凍った状態の粉が出来てしまうんですね。
この粉を落とさずに解凍してしまいますと、マグロの身よりも先に粉が溶けてしまいます。
それが臭いや変色の原因となってしまいますので、しっかりと残りがないように、丁寧に洗うことが大事です。
軽く真水で洗い、キレイな布巾で水気を切る
マグロ粉がきれいに落ちましたら、次は真水でサッと洗い流します。
ずっと真水にさらしてしまうと、身がグニャグニャになってしまうので、軽くで十分です。
真水で洗ったら、キレイな布巾で水気をしっかりと拭き取ります。
水分が残ってしまうと身が水っぽくなってしまうので、ここも残しがないよう、しっかりと丁寧に。
キッチンペーパーとラップで包み、冷蔵庫で自然解凍
これで下準備は完了。
冷蔵庫で解凍をしていく前に、キッチンペーパーでくるんで、余分なドリップを吸収するようにします。
さらに、ラップで包んでいきます。
マグロの表面は乾燥するとすぐに変色してしまうので、ラップで包むことで空気に触れないように出来ます。
冷蔵庫で6時間 自然解凍させます
キッチンペーパーとラップで包んだら、下にお皿などを敷いて冷蔵庫で自然解凍していきます。
柵の大きさにもよりますが、6時間程度解凍させるのが食べごろ。
10時間ほど解凍すると熟成も進むので、好みの時間を調節して下さい。
6時間後 マグロの柵を取り出して切ってみる
6時間ほど経ったマグロがこちら。
ちょっとドリップが出てキッチンペーパーが汚れていますが、コレくらいは許容範囲。
塩気がドリップの流出を防いでくれているので、温塩水を使わなければ、コレ以上にキッチンペーパーが汚れているはず。
キッチンペーパーを外してみました。
ピンク色の刺身が美味しそうです!
若干中心部分が少し凍っているような感じはありますが、切れば程よく溶けそうなので、食べることは出来そうです。
まずは皮を外していきます。
このサイズの柵の皮は、アジみたいに包丁を押し当てて引くことが出来ないので、とりあえずこんな感じで切ってみました ^^;
後から知りましたが、皮を外す場合は、2時間ほど経った半解凍状態の時にやるのが良いそうです。
確かに、どうしても力が入ってしまうため、柔らかい身を潰してしまいますね 汗
皮に残った身を削いで、味見 笑
めちゃめちゃ美味!!!!
程よい脂が口の中で溶けます!!
ふるさと納税、、、ありがたや〜!!
刺身用にカットしてみました。
ほんの少し真ん中が凍っていますが、食べる頃には溶ける程度なので大丈夫。
お店で食べたらこれだけでも1,000円以上はしそうです ^^;
とにかく、無事に温塩水解凍法で、無事にマグロを解凍することが出来ました!
冷凍マグロの【温塩水解凍法】 まとめ
美味しい中トロだったので、握りに 笑
他にもマグロ丼などにして、豪華なまかないを堪能させて頂きました ^^
こんな感じで、しっかりと温塩水解凍法を活用すると、マグロの旨味をしっかりと保ったまま解凍が出来ます。
ドリップがドバドバと流出してしまうと、マグロ本来の旨味が全て無くなってしまいます。
せっかくなら美味しく食べたいですよね ^^;
スーパーで売られている、こういった冷凍カチカチ状態のマグロでも効果を発揮しますので、ぜひ面倒がらずにお試し下さい。
家庭でも、ワンランク上のマグロを味わえること間違いなしですよ ^^
何も知らなかったら、普通に冷蔵庫に入れて自然解凍してしまうところでした ^^;