こんにちは、蕨東口すがやの三代目(野菜ソムリエ)です ^^
先日、お蕎麦の組合にて、とても珍しい(というか、自分が初めて見ただけなのですが!)キノコをサンプルで頂きました。
その名も【山伏茸(ヤマブシタケ)】というキノコ。
この山伏茸(ヤマブシタケ)、その見た目が全くキノコとは思えないんです!!
どんなキノコかというと、、、
こんな感じ、、、
この写真を見て、「キノコ!!」って思う人はどのくらい存在するのでしょうか ^^;
そんな不思議な形をした山伏茸(ヤマブシタケ)、今日はそんなキノコをご紹介したいと思います!
「山伏茸(ヤマブシタケ)」とは、どんなキノコ?
子実体はかさや柄を形成せず、ゆがんだ球塊状をなし、径も高さも8-25㎝程度になる。
子実体の上半部は内部に大小の空隙を有する塊状、下半部は太く長い針状突起の集合体であり、全体がほぼ白色であるが次第にクリーム色を呈し、老熟すれば淡黄褐色を帯びるにいたる。
個々の針状突起は長さ0.5~6㎝、基部における太さ1~7㎜程度、柔らかくもろい肉質で折れやすい。
引用:Wikipedia
と、ネットで調べると、こんな情報が出てきました。
ちょっと小難しい言葉で書いてありますが、特徴としては、、、
- 一般的なキノコのような傘や柄が無い
- 白く細長く、先端が針状になっている
のが、他のキノコと異なる山伏茸の特徴といえます。
見た目で似ているキノコといえばエノキ茸の様な雰囲気があるかもしれません。
が、傘がない分、やはりキノコには見えないのが山伏茸なのです ^^;
ちなみに、Wikipediaに掲載されていた、山伏茸が生えている画像、、、↓↓↓
、、、どうでしょう ^^;
山の中でこんな姿を見たら、「美味しそう!!」って思う前に逃げ出してしまうかもしれません ^^;
色んな食材がそうですが、初めて食した人って相当勇敢な人だったんだなぁ〜って感心します 汗
山伏茸(ヤマブシタケ)の生息場所
山伏茸は日本以外でも、中国大陸・ヨーロッパ・北アフリカ・北アメリカなど、北半球の温帯域で採集することが出来るそうです。
食材としても人気があり、多くの国で食用として使われているそう。
山伏茸が生えるサイクルは夏の終わりから秋頃で、主に倒木(広葉樹に多い)や枯れ木などの上に生えるそう(枯れていない木の枝枯部分から生えてくることもある)。
先程の写真のようなイメージで生えているのでしょうが、、、ちょっと恐怖ですよね 苦笑
山伏茸(ヤマブシタケ)の名前の由来
山伏茸という名の由来は、その外観が山伏が身に着けている【梵天】に似ているから、と言われているそうです。
この胸の部分についているモフモフのことですね。
(、、、何で梵天茸って名付けなかったのだろう、、、 ^^;)
ちなみに、耳かきの上についているモフモフも梵天というらしいですよ!
その他、地方での呼ばれ方も別にあり、
- ウサギタケ
- ハリセンボン
- ジョウコタケ(上戸茸)
と呼ばれることもあるそうです。
ウサギタケやハリセンボンは多分その見た目から付いた名前なんでしょうね ^^
ジョウコタケというのは、乾燥させた山伏茸が水気を大量に吸収するという特徴から付いたそうです。
諸外国では、
- ライオンのたてがみキノコ:Lion’s Mane Mushroom
- ポンポンキノコ:pom pom mushroom
- ハリネズミキノコ:Hedgehog Mushroom
- アゴヒゲハリキノコ:Bearded Tooth Mushroom ・ Bearded Tooth Fungus
- アゴヒゲハリネズミキノコ:Bearded Hedgehog Mushroom
- 猿の頭キノコ:(中国圏)
など、様々な呼び方があるそうです。
月のクレーターと一緒で、お国柄で表現が違うのが面白いですね ^^
追記:2020年1月7日
今まで「ライオンのひげ」と記述していましたが、正しくは「ライオンのたてがみ」でした。
Facebookでご連絡を頂きましたMariさん、本当にありがとうございます!
山伏茸(ヤマブシタケ)の食べ方や栄養素など
山伏茸の流通・食感・食べ方について
天然物の山伏茸以外にも、近年では原木や菌床による人工栽培が可能になり、メジャーとは言えませんが生鮮や乾燥で流通もされています。
山伏茸自体に味や香りはあまりありませんが、僕が感じた香りとしては、舞茸に少し似ているかなぁと思いました。
味は本当にクセがなく、クニュっ・プルっとした食感がホタテやフカヒレのそれに少し似ているような感じですね。
一般的には汁物として味を染み込ませて食すのがオススメとのこと。(上戸茸と呼ばれる所以がここに。)
中国では四大山海珍味と呼ばれる珍味の一つとして扱われているそうです!
ちなみに、四大山海は
- 山伏茸
- フカヒレ
- ナマコのいりこ(煮干し)
- 熊の手
の4つとされています。
山伏茸の栄養素について
認知症予防に期待の「ヘリセノン」
認知症に効果が期待できる「ヘリセノン」という成分。
このヘリセノンは山伏茸だけに含まれ、今現在では他の食物からは摂取出来ないとされています。
ヘリセノンは動物の学習能力や記憶力に欠かせないもので、具体的な効果・働きとして、ニューロンと呼ばれる脳の神経細胞の消失を防ぐようです。
アルツハイマー病型の認知症はこのニューロンの消失によって発症するため、その予防が出来るとして、ヘリセノンを含む山伏茸が認知症に良いとされているのです。
免疫力を高める「5種類のβ-D-グルカン」
少し前に免疫力を高めると話題になったアガリスクというキノコがありますが、山伏茸はこのアガリスクを超えるキノコとも言われています。
免疫力を高めるΒ-D-グルカンという成分はアガリスクを始め多くのキノコ類に含まれるとされています。
アガリスクでは含まれるΒ-D-グルカンの種類が1〜2に対して、山伏茸はなんと5種類。
自己治癒力をアップさせたり免疫力を向上させるという効果だけでなく、低下している機能は向上させて、高すぎる数値のものは調整する「免疫機能調整効果」があるということも分かっています
身体のバランスを整える、「ホメオスタシス」を促進
動物には、体のバランスを整えるメカニズムが機能として備わっています。
言い方を変えると、悪くなった部分を元の状態に戻そうとする自己治癒能力のことですが、この働きのことをホメオスタシス(恒常性)と言います。
山伏茸には、このホメオスタシス効果を促進させる働きがあるため、体の免疫力をアップさせる効果が期待できます。
また、
・免疫機能調整効果(病気になりにくくする効果)
・活性酸素除去効果(抗酸化作用:動脈硬化など生活習慣病予防)
の期待も、山伏茸にはあります。
そのため、癌や認知症だけではなく、様々な病気を予防・回復する効果が期待出来ると言われています。
抗酸化作用の「SOD様物質」
普段の生活の中でヒトが酸素を体内に取り入れると、酸化力の強い活性酸素が発生します。
この活性酸素が増えすぎると、血管や細胞を傷つけて、身体の内側を酸化させてしまうのです。
この体内の酸化が原因となり、動脈硬化を引き起こし生活習慣病を発症させます。
その酸化作用を防ぐことを抗酸化作用と言い、ヒトの体内の中で生産される「SOD」という物質がその働きを担います。
が、このSODは歳と共にその生産量が落ち、さらにはサプリメントなどで人工的にSODを作ることが出来ません。
山伏茸にはSODと似た働きをする「SOD様物質」という物質を含み、他の食品群と比較しても群を抜いてその量が多いそうです。
山伏茸には強い抗酸化作用が期待され、がん予防にも適している食品だと近年の研究で判明しているようです。
山伏茸(ヤマブシタケ)を調理してみた!
ではでは、実際に山伏茸がどんなものか、自分の目で見ていきたいと思います。
パッケージに入っているから安心して触れますが、自然に生えているやつは、知らなかったら触れないな、、、 ^^;
山伏茸をパッケージから開けて観察してみる
今回頂いたのは、山形県産の山伏茸。
かわいいパッケージ!
真っ白シロスケみたいな見た目は、コレだけ見るとキノコだと思いませんよね ^^;
正直僕は、コレに似ているなぁと思ってしまいました 笑
パッケージの裏側。
サラダと八宝菜のレシピが書かれています。
目新しい食材は、こうやってレシピが書いてくれてあると助かりますね ^^
こちらにも調理例が記されています。
パッケージを開けてみるとこんな感じに山伏茸が入っています。
まるで素麺の固まりのような佇まい ^^;
裏返してみるとこんな感じです。
裏を見てみると、ちゃんと石づきがあり、それなりにキノコっぽい雰囲気もありますね!
包丁で半分にカットしてみました!
こちらが断面図ですが、石づき部分はひとかたまりになっているんですね。
途中から髪の毛のように、一本一本生えてくるような感じになっています。
半分にしたものを手でちぎって一口サイズに。
最初に食べる方法は、パッケージにあったレシピの通り、サラダでいってみようと思います!!
熱湯で軽く茹でます。
かなり水を吸うので、茹でるよりも湯通し程度で良いかもしれません。
茹でたら一度冷水にさらして、水気を切ります。
なんか、山伏茸独特のフォルムが無くなってしまったような ^^;
山伏茸 実際の調理例
山伏茸のサラダ
こちらがパッケージにあった通りに作ったサラダ。
茹でた山伏茸をサラダにトッピングしたものです。
やはり味気や風味は無いので、ドレッシング次第といったところでしょうか ^^;
ただ、ドレッシングもしっかりと吸収してくれるので、少しかけただけでしっかりと味が乗ってくれます。
オススメはゴマドレッシングと記載がありました!
山伏茸の中華スープ
お店で使っている自家製スープに山伏茸を入れてみました。
さすが中国では四大山海珍味と称されるだけあり、食感がプルプル・ツルツル・クニャクニャと、楽しい歯ごたえ!
また、上戸茸と言われるだけあり、しっかりとスープを吸って味を染み込ませてくれます。
スープに浸すと一本一本が広がって揺れるようになるので、見た目にも面白さが生まれますね ^^
山伏茸のあんかけそば
山伏茸と野菜をあんかけにして、中華そばに乗せました。
こちらもスープと同様、味も吸ってくれますし、食感も良いのでオススメ!
ご飯に乗せても良いですね ^^
山伏茸(ヤマブシタケ)についてのまとめ
いかがだったでしょうか ^^
埼玉ではスーパーではあまりみかけない山伏茸。
しかし調べていくと、とても栄養があって美味しいキノコだということが判明しました!
ちょっと見た目が特殊で使うのにためらってしまいそうですが、ぜひこの記事を参考に、チャレンジして頂ければと思います ^^
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